保護中: 売れる味より、寄り添う味を選ぶ。佐藤酒造店が「飲みやすい辛さ」を守る理由

佐藤酒造店が守っているのは、昔ながらのやり方そのものではない。 守ろうとしているのは、後味が軽く、ふくらみがあり、日常に自然と寄り添う酒質のほうだ。 今は、派手で甘い酒のほうが売れやすいらしい。 設備を増やし、管理を機械に寄せれば、現場はもっと軽くできるかもしれない。前の杜氏のやり方を、そのまま正解として守る道もあったはずだ。 それでも、佐藤酒造店はそこへ寄り切らなかった。 飲みやすい辛さを崩さないこと。日常の喜怒哀楽のそばに置ける酒であること。そのために、機械を入れても全部は任せず、人の手を残している。 取材の日、佐藤さんはタンクの前で櫂を入れていた。 泡の動き。蓋の張り方。棒を伝ってくる感覚。 その小さな判断の積み重ねの先に、この蔵が守りたい味がある。

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